別格20番札所大瀧寺 遍路道

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福大山 大瀧寺
ふくだいさん おおたきじ
fukudaisann ootakiji

現在の本堂(2016.3)
現在の本堂(2016.3)

徳島県美馬市脇町字西大谷674 (Google Mapsへ)
0883-53-7910

本 尊 西照大権現
開 山 行基菩薩
宗 派 真言宗御室派 準別格本山
略縁起 (四国別格霊場会公式サイト資料参照)
奈良時代(神亀三年)行基菩薩が、塩江より御登山になり、阿讃山脈秀峰に一寺を建立し、阿弥三尊を安置されました。平安時代の初期、延暦十年(西暦788)弘法大師も、「三教指帰」と云う大師の著書にはっきりと記されています様に「求聞持修法」をされ、弘仁六年(807年)弘法大師四十二才、二度目の登山のときに、現世の男女厄難消除、万民安楽の為に、西照大権現の御尊像を安置し、法華経を一石毎に書き、男女厄流しの秘法を修されました。又、天安二年(858年)聖宝尊師(理源大師)が登山され、高野槙を御手植になり、男女厄除厄流の大護摩を修法されました。その法が今に伝わり厄流しの寺として有名です。
又、八十八番大窪寺との関係が深く東大窪寺、西大瀧寺の名で呼ばれ、別格二十ヶ寺中で最も高い海抜九百四十メートルの大瀧山上にあります。徳川時代には、高松藩(徳川)と徳島藩家老の稲田氏の祈願所と成っておりました。当時は度々炎上して現在寺宝としては、別にありませんが江戸時代には、阿波讃岐登山道に鳥居の数十八基在りました。
●西照大権現(一宇)●奥の院熊野十二社大権現(江原町清水の上)
●龍王堂●護摩堂 ●観音堂 ●弘法大師御自突ノ杖 ●不動堂
●弘法大師御影堂 ●鐘楼堂 ●仁王門

別格20番札所大瀧寺へのアクセスは大変だ!!!。しかし、現在は尾根ルートが遍路地図に明記され既存ルート距離の約1/3であることから多くのお遍路さんに利用されている。
また、別格20番札所結願後の現在の帰宅ルートも高松、東かがわ市等への交通機関の接続が悪く長時間を要し多くのお遍路さんが苦労している!!!。

Shikoku 88 Guide book 編集者の松下さんは、つい十数年年前まで徳島県美馬市脇町から大瀧寺への参拝者で賑わっていた情報を確認?!?。この周辺の地形に詳しい脇町の歴史家Sさんから脇町から大瀧寺に至るルートの情報を確認。
S氏によると脇町から88番札所大窪寺の別格20番札所大瀧寺に至るルートは数ルート有るが、その代表は2つ。ルート1は。大瀧寺の・・・・・日に地元の人が利用した大谷道。ルート2は、小学校時代遠足で大瀧寺に向かったXX尾根ルート。

先日(2019年11月16日)松下さんがこのルートを調査。とある歩き遍路はこの調査遍路に同行した。             ◇ルート1は、旧脇町庁舎から大谷川沿いの車道ルートを辿り、石鳥居21丁目より急斜面を直登するルート。         石鳥居21丁目から大瀧寺に至る参道約2㎞沿いにあった6軒の民家、参道周辺にあった数十軒の民家住民も殆どが移転しポツント一軒家化。過疎化に伴い石鳥居21丁目より脇町側に有った大谷小学校も1995年頃過疎化に伴い廃校。この生活道・参道は荒廃しほぼ消滅している。
◇ルート2は、旧脇町庁舎からXX尾根を辿り、YY地点より整備された遊歩道を辿り大瀧寺に至るルート。

地図のアイコンなど


更新日:2019/03/31

ルート概要は
イメージ 4


地図のアイコンなど


別格20番札所大瀧寺へのルートは2つのパートに分けて。
【パート1】は、「前山おへんろ交流サロン」-「長谷分岐点」
【パート2】は、「長谷分岐点」-「別格20番札所大瀧寺」


【パート1】 「前山おへんろ交流サロン」-「長谷分岐点」の遍路ルートは2つ
【ルート1】「前山おへんろ交流サロン」-額峠-多和交差点-三木町長谷へ 約10㎞
【ルート2】「前山おへんろ交流サロン」-88番札所大窪寺-竹屋敷-三木町長谷へ  約12㎞

【ルート1】 「前山おへんろ交流サロン」-多和交差点-「長谷分岐点

ルート2:標高300m付近東屋(2016.5)
ルート2:標高300m付近東屋(2016.5)
ルート2:多和交叉点 右は別格20番。左は大窪寺
ルート2:多和交叉点 右は別格20番。左は大窪寺
長谷分岐:(左)夏子ダムルート (正面)尾根ルート (右)落合ルート (2016.3)
長谷分岐:(左)夏子ダムルート (正面)尾根ルート (右)落合ルート (2016.3)

【ルート2】 「前山おへんろ交流サロン」-88番札所大窪寺-竹屋敷-三木町長谷へ   

ルート4.5:女体山展望台から屋島、八栗、志度寺方面展望(2016.5)
ルート4.5:女体山展望台から屋島、八栗、志度寺方面展望(2016.5)
大窪寺本堂(2016.5)
大窪寺本堂(2016.5)
竹屋敷、別格大瀧寺への分岐(2016.5)
竹屋敷、別格大瀧寺への分岐(2016.5)


【パート2】 「長谷分岐点」-「別格20番札所大瀧寺」

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<札所間情報>
距離:別格20番札所大瀧寺への遍路距離は
【ルート1】 落合ルート(香川県ルート)    :約17㎞
長谷分岐-讃岐温泉-別格20番札所大瀧寺
【ルート2】 夏子ルート(徳島県ルート)     :約15㎞
長谷分岐-夏子ダム-別格20番札所大瀧寺
【ルート3】 尾根縦走ルート(昔の遍路道?)   約6㎞
長谷分岐-金毘羅境内-尾根遍路道-別格20番札所大瀧寺
高低差:630m
難易度:大変
ルート数:3ルート
最寄の札所:87番札所長尾寺&88番札所大窪寺
美味しい情報:-
遍路宿情報:
おへんろ道:
オススメ情報:


前山おへんろ交流サロンー別格20番札所大瀧寺

本区間のポイント
 昔の遍路道(尾根道ルート)があるよ。直登のため距離は、
 なんと既存ルート1/3の6㎞なのだ!!!。


『四国遍路ひとり歩き同行二人地図版』で別格20番札所大瀧寺への遍路道は、長谷から次の2つのルートが示されているが、もう一つある。それは、『昔の遍路道』だ!?!。このルートは既存ルートの約30%と非常に短い。また、地元の人により「阿讃縦走路」として綺麗に整備されている。

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【ルート1】 香川県ルート
長谷から上落合(香川県塩江)経由で県道106号線沿いに遍路し大瀧寺へ 遍路距離は約17㎞。現在(2016.5)、樺川ダム建設中であり落合橋から樺川ダム建設現場までの約4km?は工事車両が頻繁に行き来している。

【ルート2】 徳島県ルート
2014年『四国遍路ひとり歩き同行二人』に記載されているルート2の夏子ルートを遍路する。夏子ダムサイト(徳島県脇町)より標高450m地点まで生活道。そこから山道等を経て大瀧寺へ。

しかし、標高230mの夏子ダム周辺から標高450mに至る生活道は、1970年ころ開通した農免道路の開通により現在は廃道になっていた。「Shikoku Japan 88 Route Guide」は訂正済み。遍路距離は約15㎞(約11㎞+迂回路約4㎞)。

徳島県ルート。夏子ダム(2016.11)
徳島県ルート。夏子ダム(2016.11)
夏子ダムサイトのオアシス(2016.11)
夏子ダムサイトのオアシス(2016.11)
夏子ダムサイトから大瀧寺への遍路道(2016.11)
夏子ダムサイトから大瀧寺への遍路道(2016.11)

夏子ルートを調査遍路(3回)している過程で判明したことは、尾根筋沿いに第3のルートがあることが分かった!!!。

【ルート3】 金毘羅宮経由尾根筋の山道遍路道ルート
私はこの周辺ルートを4回走破し、やっとこのルートを確認することができた。
私の知り合いSさん(数年前に区切り歩き遍路結願。)は、大瀧寺参道入口の徳島県美馬市脇町に在住。家に大瀧寺に関する貴重な資料を有している。この資料等から、私はこのルートは、『昔の遍路道であると判断』??。
☆ルート上に明治期の石碑がある。
☆長谷からの遍路道について、「大瀧寺から清水一本杉まで50丁と記載された」昔の資料。
☆現在(2010年ごろ)の国土地理院の地図には登山道は記載されていないが、1960年ごろの国土地理院の地図等に登山道が記されている資料。

長谷分岐から左(徳島県側)へ約100m遍路した所に金毘羅宮の鳥居。この鳥居を潜り金毘羅さん境内へ。社殿の左奥から登山道を辿って別格20番札所大瀧寺へ遍路するルート。

登山道への目印は鳥居。鳥居への階段を上り、社殿の左奥に

尾根ルート登山口:金毘羅宮鳥居(2015.3)
尾根ルート登山口:金毘羅宮鳥居(2016.3)
金毘羅本殿左奥が遍路道(2016.3)
金毘羅本殿左奥が遍路道(2016.3)

道しるべを頼りに登ること約2時間で?尾根道に到達。登りは、わりと厳しいが、厳しい登りには寅ロープが ある。また、尾根道も一部厳しい登りもあるが、相対的になだらかで快適だ!

この尾根筋登山道に明治期の石碑が。このルートは昔の遍路道の証なの!!?。

急な登山道&虎ロープ(2016.3)
急な登山道&虎ロープ(2016.3)
尾根筋登山道に明治期の石碑(2016.3)
尾根筋登山道に明治期の石碑(2016.3)

尾根道に出ると展望が開け、大瀧山とその左側に目標となるアンテナが望める。

尾根道から大瀧山を望む(2016.3)
尾根道から大瀧山を望む(2016.3)

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約1時間30分でアンテナの麓へ。そこから少し行くと車道に出る。そこから大瀧寺はすぐそこだ!!!

大瀧寺サイドから 左:落合ルート 中央:尾根ルート 右:夏子ルート(2016.3)
大瀧寺サイドから 左:落合ルート 中央:尾根ルート 右:夏子ルート(2016.3)

別格20番札所大瀧寺は標高910m、大瀧山直下に位置する。納経所は本堂左の建物に。宿坊は無い。長谷分岐から大瀧寺までは、ルート3で約6㎞。所要時間は3時間。また、トイレに困ったときは西照神社の東側、尾根分岐点より西照神社境内入口?に。使用後は綺麗にしておいてね!!。

現在の本堂(2016.3)
現在の本堂(2016.3)
戦前焼却前の本殿(1940年ごろ?)
S氏保有の戦前焼却前の本殿(1940年ごろ?)
錆びた鉄骨の鐘楼(2016.3)
錆びた鉄骨の鐘楼(2016.3)
隣接する西照神社(2016.3)
隣接する西照神社(2016.3)

下りの時、もし、天候が悪く、尾根道から長谷への下り道を見過ごし、直進し実相山コースに迷い込んだ場合、分岐 点から200m程先の実相山三角点が確認できるので、そこから引き返したほうが得策である。

尾根道分岐 分かりにくいが長谷道は右。直進はダメよ!(2016.3)
尾根道分岐 分かりにくいが長谷道は右。直進はダメよ!(2016.3)
登り:尾根道へ 左は大瀧寺 右は実相山へ(2016.3)
登り:尾根道へ 左は大瀧寺 右は実相山へ(2016.3)
悪天候で実相山へ辿りついたら引き返そう(2016.3)
悪天候で実相山へ辿りついたら引き返そう(2016.3)

≪参考≫尾根筋ルート踏査のきっかけ
2014年、夏子からお遍路するが登り口を探すのに苦労する。やっと見つけ廃道状態の山道に突入するが、途中で見失う。あえてブッシュを掻き分け直登すると、きれいな尾根道に辿りつく。
取付登山道の廃道理由は、昭和40年ごろに大規模農免道路が開通&過疎化も伴い利用者が少なくなった。現在は廃道となっているが『四国遍路ひとり歩き同行二人』では記載されたままである。
2014年のお遍路時、四国以外のお遍路さん2名に出会ったが、遍路道がわからず道さがし時間ロス。迂回路での時間ロスが影響し、予定が狂う。1名は仕事の都合もあり、大瀧寺からタクシー利用で下ると言っていた。多くのお遍路さんが『苦労しているのではと思い』今回のブログを始めたのをきっかけに尾根道調査を行い、このルートを確認することができた。


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